機能性/解離性による神経症状について:患者ガイド

Hemi

機能性顔面痙攣(Functional Facial Spasm)

 機能性神経症状を患う患者では顔面にも症状を認めることがあります。これらは実際には一世紀以上前から認識されていましたが、10-15年前に考えられていたよりも、非常によくある症状です。

機能性顔面痙攣/ジストニア

 機能性顔面痙攣の最もよくある型は、目の周囲や顔面の下半分の筋痙攣です。

 典型的には、機能性顔面痙攣は何回ものエピソードで生じ、顔の半側で症状を認めます。目の周囲の筋肉(眼輪筋と呼ばれます)は痙攣を起こし、それにより患側では目を開けても眉は下がり目は細くなります(下の写真を参照)。

 機能性顔面痙攣が顔面の下半分で生じたときは、口角が下に引っ張られ、時にあごは上に引っ張られます(Lucyの写真を参照)。広頚筋と呼ばれる筋肉の痙攣により口は下に引っ張られますが、この筋は首の前面の皮膚の下にあります。

 口角が上がることはありますが稀です。右上の写真は1918年のもので、世界大戦の「シェルショック」を患った戦士の機能性顔面痙攣です。

 Lucyがこのサイトで写真を出すことに同意してくれてうれしく思います。
BBC Radio 4 programme,Inside Health, broadcast in October. でLucyの言葉を聴くことができます。,

 これらの写真では、Lucyのあごが口の右側に引っ張られていく傾向にあることが見れます。加えて、右の広頚筋の痙攣もあり唇は下に引っ張られて下がってしまっています。

 Lucyが彼女の顔面痙攣について話たビデオをクリックしてください。彼女は右手足の脱力もありました。機能性脱力のページも参照ください。

 口が引っ張られ下がる時、非対称的な見た目となり、よく顔面麻痺と間違って解釈されます。機能性顔面痙攣を知らない医師は、この症状が筋肉の過剰な活動性によるもので脳卒中で典型的に見られる筋の活動性の低下とは違うにもかかわらず、脳卒中の症状と考えてしまうかもしれません。

 機能性顔面痙攣は、それ自身で生じることもありますが、このサイトに載っている他の症状と一緒に認めることの方が多いです。もし機能性四肢脱力が存在すれば、顔面痙攣と同じ側にほとんど認めます。この事実は機能性神経症状が脳内でどのような基盤から生じているかを理解しようつする科学者にとっては興味深いことです。

 機能性顔面痙攣のほとんどのエピソードは数分間の持続であるにも関わらず、数時間続いたり、ほとんどの時間症状が持続している稀なケースもあります。

 時に舌も痙攣に関わります。通常はそれが起こって舌が突き出たとき、顔面痙攣と同側に向きます。

どのように診断されるか?

 診断する医師が顔面痙攣を引き起こす他の原因を良く知っていることが大事です。主な違いのひとつは、下に挙げた病態からの痙攣は通常は非常に短く(例えば数秒の持続)、一方で機能性顔面痙攣ではその筋の過活動が数分からそれ以上持続するということです。筋痙攣のパターンや誘発する因子、関連する症状といった、経験豊かな神経内科医が探すことのできるその他の違いもあります。

 機能性障害には含まれない、顔面の筋痙攣を引き起こす他の病態には以下があります。

機能性顔面脱力
 これは稀です。この症状が見られるかもしれない病態のひとつは、機能性発話障害を患う患者でです。ある患者では発話をするときに口が適切に閉じません。これを顔面の脱力と解釈できるかもしれません。

機能性眼瞼下垂(Functional droopy or closed eyelids (ptosis)

 機能性顔面痙攣では、目の周囲の筋肉は過活動にも関わらず、眼瞼自体は通常は障害されていません。しかし時々眼瞼が下がることがあり、眼瞼下垂と呼ばれますが、機能性神経症状の結果として生じることがあります。重症筋無力症や眼瞼の弛緩性皮膚、脳疾患といった眼瞼下垂をきたす多くの原因があるために、診断には注意が必要です。

 眼瞼下垂は弱い代わりに、眼瞼がずっと閉じていて患者が開けるのが大変なときが時にあるるかもしれません。非常に最もよくある原因は眼瞼痙攣(Blepharospasm) と呼ばれる病態で、これは機能性障害とは関係のない運動障害です。この症状は機能性障害としては生じることは稀です。特に、両方の眼瞼が閉じてしまい適切に見ることができない場合はその症状により何もできなくなります。

 繰り返しですが、眼瞼痙攣の合併にも詳しい専門医からの心眼が望ましく、必要不可欠です。

機能性顔面痙攣の治療

 症状が筋の過活動であり低活動ではないということを知ることは重要な違いになります。顔面筋のストレッチや何人かの患者で見られる光への過敏性といった誘引となることを認識することは有用です。

 もし異常な運動が顔面の「ストレッチ」によって引き起こされるのならば、その活動を避けようとすることができます。代わりに意図的に運動をすることには価値があり、(ランダムに生じる症状発作で症状を軽減させようとするよりも)あなたがコントロールできる方法であなたの脳は「脱感作」することができます。

 もし光への過敏性が問題ならば同様に、徐々に目に光を暴露させることが有用です。

 ジストニアのあるタイプとは違い、ボトックス注射は機能性顔面痙攣に効果的ではありません。

 何人かの患者では、診断を理解して、顔面の運動に関連して異常な運動が起きている「脳を再訓練」することが、治療に有用になるように見えます(下図参照)

 機能性顔面痙攣を患う患者で非常によくあることは、他の機能性症状、特に機能性四肢脱力(functional limb weakness)を合併することです。

Pseudoptosis
WW1 face
Snapshot 2 (30-06-2013 22-17)
Snapshot 1 (30-06-2013 22-16)
Snapshot 3 (30-06-2013 22-18)
片側の顔面痙攣 局所てんかん発作
眼瞼痙攣 オトガイ筋の筋痙攣(Geniospasm)
ベル麻痺後の連合運動 他の局所のジストニア
Face treatment
factsheet face

機能性顔面痙攣について知らない医師は、この症状を脳卒中の症状と考えるかもしれません・・・