機能性の記憶力および集中力低下は、機能性および解離性症状と同時に頻回に認めます。
これは特に睡眠障害、倦怠感、不安 もしくは抑うつがある場合に認めます。
しかしながら、不安や抑うつがなくても記憶力や集中力の低下を認めることがあるということは重要です。
よくある記憶力に関する訴えは下記のようです。多くは通常以上に毎日頻回に経験されるものかもしれません。
全ての機能性症状と同様に、これらの症状が神経疾患の一部としての症状なのかどうかの判断は、これらの症状をよく知っている人によって行われるべきである。
しかし、これらの症状が記憶障害を全く示唆しないということがよくあります。これらの症状は集中力の低下やぼんやりとしていることの結果として説明できることがほとんどです。もしあなたが何かを始めるときに、おそらく疲れているか邪魔が入ることで集中できないのなら、あなたはそのことを思い出すことができないでしょう。
そのため、あなたが階段を上りながらその理由を「心に留めておく」ことが以前はできた一方で、今は疼痛や疲労、下肢の脱力などによって集中力が邪魔されてしまい、それができないのです。
このような症状に気づく人は、初めての場所でのことを思い出す能力は平均以上であることが多いです。いつも少しぼーとしている人々はそのようなことにあまり気づかない傾向にあります。
時々、これらの症状が不安によって焦点化されます。特に認知症の家族歴のある人や認知症をよく知っている人ではそうなります。
集中力低下は不安や抑うつと非常に共通した症状です。そのためこの病態で症状の悪循環がどのように始まってしまうかを見ることは簡単です。
より長期にわたる健忘 / 解離性健忘
時々機能性神経症状を患う患者が訴えるのが、例えば午後中ずっとだったり車で運転中ずっとだったりといった、非常に長い期間の健忘である。これは特に発作前の症状の健忘をよく認める解離性痙攣(dissociative seizures)の患者で見られます。
このようなまとまった時間が失われたとき、解離性健忘と説明されることが多いです。解離症状の一般的な意味合いについてより理解するには解離症状(dissociative symptoms)をクリックしてくださ
解離性健忘では、何も思い出すことができません。なぜなら以下の2つの可能性があります。
• 彼らがその期間トランスのような状態にいた、もしくは、
• 機能性および解離性の病態の一部として脳の機能が変化したため、正常の記憶にアクセスすることが難しい。
「階段を上った/隣の部屋に来たが、なぜここに来たのかが思い出せない。」
「財布や鍵をよく失くしてしまう」
「会話の内容が分からなくなってしまう」
「長い時間かけて車で家に帰ったこと全てを思い出せなかった」
「本を取るも、以前読んだ部分を思い出せない」
「休日に行った場所の名前や毎日我々がしていることを忘れる」
「会議に行くことやある人に誕生日カードを送ることを完全に忘れてしまう」